トヨタのアイシスの足回りからの異音がするというお車の入庫です。テスト走行して足回りの部品を触らないことには確信は得られないのですがだいたい整備士の経験則というか、ここの部品が不具合がある時はこんな症状が出やすい。そのような、なんでしょうか?膨大なパターンの積み重ねから瞬時に原因を特定できることがあります。
テスト走行をしてみて段差があるような道路でゴトゴトする感じから上下の衝撃を緩和する部品がかなり怪しいという見立てを立てました。ガレージジャッキで車体の前側をジャッキアップし、足回りの部品を点検していきます
ジャッキアップした前側のタイヤを上下や左右に揺すってみます。これは上下にがたつきがある場合はハブベアリングのがたつきであったり、左右のがたつきならばロアアームやタイロッドエンドあたりが怪しい。タイロッドという部品を掴んで揺すってみてコクコクとすると、ステアリングラックエンドという部品が怪しいです
タイヤを抱きかかえるようにして上下に動くのであればストラットのアッパーマウントのゴムのへたりが怪しい。このようにだいたい、こんな感じの症状が出ていたらこの部品が怪しいよ!みたいなパターンというか、ケースがあります
今回の原因はこの棒状の部品、スタビリティリンクのがたつきでした。上下の衝撃を緩和しているスタビリティリンクですが、上と下に人間で言う所の関節の役割を果たすボールジョイントがあるのですが、これが劣化してくる?隙間が出来てくる?とコクコクとがたつきが出てくるようになります
ブーツというスタビリティリンクのボールジョイントの潤滑を保つためにグリスが飛び散らないようにゴムの部品で覆われているのですが、そのゴムのカバーも破れており、そこから水が侵入してジョイントの動きが悪くなったり腐食してしまったのかも知れません
腐食するという事は錆びて朽ちていくので、そこにあってはならない隙間が出来てしまうわけで、それがコクコクとしてくるのだろうと思います。あとは何万回もの衝撃で摩耗してくるんでしょうか?車の足回りの部品にはこのボールジョイントが何カ所か採用されています。がたつきがある場合は場所によっては緊急性が高く、特にロアアームのボールジョイントのがたつきは、ボールジョイントがナックルという部品から抜けてしまう危険があり、走行中にボールジョイントが抜けてしまうと車は制御を失いスピンしてしまい大惨事になる危険がありますのでロアアームのがたつきは本当に危険です
スタビリティリンクのがたつきはそこまで緊急性は高くないもののブーツが破けていたりすると車検が通りません。またこの部品は六角レンチの穴が腐食していると脱着が困難で、必然的に工賃が高くなります。
という事で段差に乗り上げたと異音が気になる場合はもしかしたらスタビリティリンクのがたつきかも知れません
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