トヨタの人気車ハイエースの何か固いブロックにでもぶつけてしまったかのような凹み傷のお車の入庫です。
これを新品のクォータパネルに交換するとなるとスポット溶接を剥がして新品のクォータパネルの素地のパネルを塗装をするために足付けをして塗装下地を吹き付け塗装してガラス類や配線類、内張等を全て移植して磨をするとなるとかなり大掛かりな作業になり、結果的に高価なお見積りになってしまいますので修理で直せるのであれ修理した方が安くできるのであればそうした方が賢いです
車の損傷具合によっては新品に交換した方が安い場合もあるのでそこは総合的に判断して、またはお客様の要望にもよりますが今回は修理で直すこととなりました
別の記事でも書いたことがあるのですが、町工場の強みは来店したお客様にとって、純正の新品に交換するだけでなくリサイクルパーツ、ようするに中古品や互換性のある社外新品。つまり純正品ではないけれど互換性のある新品の部品を使ったり、リビルト品(中古の部品の消耗品類をリフレッシュして分解清掃したほぼ新品)を使うという選択肢を与えることが出来るという点だと思います。また修理で直せる場合は修理で直した方が安上がりの場合はそのような選択肢も与えることが出来る事ではないでしょうか
それでは作業の話を書いていきますと、シングルアクションサンダーという円盤状の粗い紙やすりが高速回転する工具で凹み傷周辺の塗膜を剥離していきます。これはスタッドプーラという工具の先端を凹みに溶接して凹みを引き出すために塗膜を剥離して通電するようにするためです
引き出したい部分にワッシャーを複数溶接してワッシャーの穴に棒を通して、その棒をプーラという物凄い力で引っ張れる工具で点ではなく線で引き出したり、またはスタッドプーラの先端を溶接して点で引き出したり、鈑金ハンマーで出過ぎた面を叩いたりしてなるだけ車体本来の曲線に直していきます
だいたい鈑金作業が完成しましたらダブルアクションサンダーという細かめの紙やすりが高速回転する工具で鈑金面を整えます。次はパテの工程に入ります。パテの工程からは油分が大敵ですのでシリコンオフという脱脂できる液体を布に染み込ませ完全に油分を除去して乾燥させます
パテに硬化剤を混ぜ合わせ固まってしまう前に鈑金した面にパテを塗りこみます。鈑金で直しきれない凹凸をパテで補うイメージです
パテが乾燥しましたらカチカチになりますので大まかに研磨した後は手作業で車体本来の曲線を再現するように研磨していきます。軍手をした手で車体本来の曲線やラインを再現している事を確認しながら作業をしていきます。これは研磨しすぎた場合は致命的に仕上がりに影響しますので完璧にできるまでパテの工程を繰り返します
研磨している段階で巣穴があったりした場合も同様に何回でもやり直し完璧に仕上げます
次は塗装下地のサフェーサを吹き付ける工程ですが、余計な箇所にサフェーサが飛び散らないように紙を貼ったりビニールを被せるなどのマスキングという作業をしていきます。この時に使うテープは剥がした時に車体に糊が残らない特殊なテープを使っています
サフェーサを吹き付けることでパテだけではざらついた面が一層滑らかになるので砂漠にオアシスがあるような感覚です。ちょっと何言ってるか分からない方はすいません
サフェーサが乾燥しましたらここからも手作業で紙やすりでペーパーがけしていき限界まで美しい塗装下地に仕上げます
再度マスキングをしまして、いよいよ塗装の作業に入ります。まずは塗料を作るのですが、車体にこの車はこんな塗料の配合で塗料を吹き付けているよというデータが分かるカラーナンバーという番号が刻印されていますのでその通り塗料を配合するのですがだいたい現車の経年劣化か日光などによる褪色した色味とはズレがあるので塗装技師が経験と勘で修正しています
これだという塗料ができましたら試し塗りしてから本塗します。ムラが無いように垂らさないようにします。某メーカーの難易度が高い塗装は13回も吹き付けるらしいという話を聞いたときは戦慄しました汗
塗料が乾燥しましたら内張やガラス配線類などを全て移植し磨きの工程に入ります。磨きの工程は細かい傷を消し去ってくれますし、塗装面を最大限に美しくしてくれますので偉大な工程です。
電動ポリッシャーを使い、3種類のコンパウンドという研磨剤を使い分け、ポリッシャーは羊毛、スポンジ、布などの素材を使い分けています。磨きが完了しましたら洗車をして完成です
左側の凹み傷修理
¥148,000
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