スズキの人気車、ハスラーの横側面を擦ってしまった修理事例です。遠目には目立たない傷でもこれを綺麗に直すとなると樹脂の部品を外して広範囲に塗装をしなくてはならないので結構大掛かりの作業です
この黒い樹脂製のザラザラした部品類は修理不能ですから新品に交換するしかありません
ドアの擦り傷はダブルアクションサンダーという名前の紙やすりが高速回転する工具で研磨して傷が軍手越しに感じられないほどに研磨していきます。結構軍手越しの方が凹凸は分かりやすかったりするので手のひらに意識を集中させて凹凸を見極めています
車の塗装面はクリアという透明な層が一番表面側ですが、車によってはカラークリア、3コートパール、メインのボディ色、塗装下地のサフェーサの層、金属のパネルの素地のような3から5層(もっと多いやつもあるかも知れません)の感じになっています
この層のどこまで傷が達しているかによって作業の仕方が変わってきます。凹みを伴ってる場合、素地までシングルアクションサンダーという工具(ダブルアクションサンダーより目の粗い紙やすりが高速回転するエアー工具)を使って塗膜を完全に剥離して通電する状態にし、スタットプーラという工具の先端を溶接して凹みを引出す必要がありますし、クリアの表面だけに浅く傷がある場合は磨きという作業だけで傷が取れる場合もありますがこのくらい傷がいってしまうと塗り直さないといけません
凹みがある場合には塗膜を剝離した後、スタッドプーラという工具で凹みを引き出し、直しきれない凹凸は鈑金用の硬化剤の入ったパテで凹凸を埋めて、車体本来の曲線を再現するように研磨して補いますが、パテを使うのかは凹み次第です
これくらいのチッとした傷ぐらいならパテを使わなくても大丈夫だったりします
前置きが長くなりましたが、ダブルアクションサンダーで研磨した部分にシリコンオフという脱脂できる液体で油分を完全に取り去り乾燥後、塗装下地のサフェーサという液体をエアーガンで吹き付けますが、余計な場所にサフェーサが飛散しないように紙を貼り付けるマスキングという作業をしていきます。マスキングに使うテープは剝がした時に車体に糊が残らない特殊なテープを使っています
サフェーサを丹念に吹き付け、乾燥後紙やすりで手作業で研磨していきます。仕上げに水を漬けた目の細かい紙やすりで研磨する水研ぎという手法で塗装下地を仕上げ、滑らかに仕上げます。サフェーサの塗装下地を綺麗に仕上げることで塗装した時の塗料の付きを良くし、塗膜も美しく防錆効果もあります
サフェーサを仕上げいよいよ塗装ですが、ここで再度マスキングをして塗装に備えます
塗装で難易度が高いのが現車の色味に寄せるというのがとても難易度が高く、熟練の塗装技師でも苦戦する色が存在します汗。車にはカラーナンバーという、この車にはこの配合の塗料が塗られていますよーと分かる番号が刻印されていますが、この配合通り塗料を配合しても現車の微妙に褪色したり経年劣化した色味とはズレがあるので、これに塗装技師は頭を抱える時があります
これだ!という塗料を配合してから適当な鉄板に吹き付けてみて、現車の色味と合致しているのを確認してから本塗に入ります。塗料が乾燥しましたら磨きの工程でコンパウンドという研磨剤を3種類使い分けて、ポリッシャーも羊毛、布、スポンジなどと素材を使い分けて塗膜を最大限に美しく仕上げます
磨きは細やかな塗装の時に付着したゴミや傷を取り去ってくれる偉大な工程です
部品を元に戻して綺麗に洗車して完成です
横側面の傷
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