日産のキャラバンの左前と左側面の大きな損傷の修理事例です
ガラスが割れていたりドアが変形して隙間が出来ていましたからブルーシートをかぶせておきました
損傷が酷い部分はお客様の要望で新品に交換し、左のスライドドアは鈑金修理しました
助手席の足元まで変形していたのでかなり大掛かりな作業となりましたがこのくらいの損傷でも時間とお金をかければ綺麗に直ります。
大きい衝撃が車体にかかった時に、車は壊れますが上手く壊れてくれるお陰で乗車している人達が大怪我しないような作りになっているらしいです。モノコックボディとか言ったような。違っていたらすいません
とは言え、ある程度の強度は必要なので頑丈な骨組みが入っているのですが大きく車をぶつけるとこの骨組み、フレームが変形してしまっていると部品が上手く付かなかったり、部品同士の隙間がおかしかったり、または部品同士がぶつかってしまい塗装剥がれたりして錆びてきてきてしまいますからフレームを修正してあげる必要があります
何でしょうか?カイロプラクティックという手技で背骨や頸椎の歪みを取ったり調整することで身体の本来の機能を取り戻すみたいなのがありますがあんなイメージでしょうか。車のフレーム(骨組み)の歪みを取り去り正しい位置に出来るだけ調整してあげるんです
このキャラバンはエンジンを車から降ろしてその作業をするので入庫から完成まで1ヶ月以上かかったと思います。エンジンも配管やら配線、マフラー等かなりの部品を外さなければいけないので大がかりな作業です
この写真は違う車ですが、車の真横に車がぶつかってきたようで、車の内側に押し込まれた床あたりの部品を1トン以上の力で引っ張り出している時の写真です
加えられた力と同じかそれ以上の力で加えられた力とは逆方向に引っ張ってあげれば、押し込まれて変形した部品は元に戻ろうとしてくれます
工場の床にガッチリ固定された分厚いフレーム修正機に車体を固定しまして、工場の床に固定された支柱からプーラーという物凄い力でチェーンを巻き取れる工具で押し込まれた部分を引っ張り出しながら、縮んでシワが出来ている部分を大き目のハンマーで叩いて元の形に直していきます
キャラバンのように前の片側からぶつかっている場合はフレームが車体の前と後ろでズレが出てしまうことがあります。その時は車体の下側に等間隔でアクリル板をぶら下げて、レーザー光線を出すゴツイ機械を使いレーザーを照射します。するとアクリル板にレーザーの光が写し出されます。アクリル板には目盛りが付いていますから車体が後、真ん中、前側でどれだけズレているかを知ることができます。それを基準にちょっと左に引っ張ってみようかな?などと判断して歪みを取っていきます
変形の酷い部品はスポット溶接という鉄板を2枚から3枚を点で挟み込んで溶接してある部分の溶接をスポットカッター(簡単に言うとドリルです)で剥がし、新品に交換します(上の写真で車体の下側に黒光りしている部品が置いてありますが、あれは車の下側、サイドシルの新品の部品であのように素地の色が塗られていない状態で工場に送られてきます)
このスポット溶接を剥がす作業は場所によっては挟み込むタイプのスポットカッターを使えると楽なのですが、その工具が入らない場合はハンドドリルでスポット溶接を剥がすので1時間もやると手がめちゃくちゃしんどくなります(万年腱鞘炎ですが)
フレームを直してあげたら新品部品をいい位置で固定していき、他の部品との隙間、建付けが問題なければスポット溶接出来る所はスポット溶接機で複数枚の鉄板を圧着溶接し、無理な所は半自動の溶接機で部品をくっつけていきます
塗装されていない部品は塗装技師の熟練の技で下ごしらえ(足付けとか言ったりします)してから車の色味に合わせて塗料を作り、吹き付け乾燥後に磨きです
大きく部品を外したので正常に車が動くか電気周り確認して、足回りも点検、洗車して完成です
この作業を詳しく書こうとすると1万文字くらいになりそうなのでこのへんで汗
ここ数年で、トップ10に入るくらい大掛かりな作業だった気がします。時間とお金かければ直ります
時間はかかりましたがこれほどの損傷でも直ります!
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